- ご利用事例
アンケートや調査票の設問は、一般的に大きく分けて以下の2つに分かれます。
(1)番号を選択したり任意の数値を記入する設問
(2)自由な意見やコメントなどを記述してもらう設問(FA(フリーアンサー)・コメント)
(1)はアンケートに事前に用意されている番号などを回答者が選択する方式や
数値を記入する枠を用意してそこに任意の数値を記載してもらう設問が該当し、
例えば年代や職種などを選択するもの、1~5段階の満足度などを選択するものなどがあります。
(2)は選択式設問の下に「なぜそれを選択したか」の理由を書き込むものであったり、
「ご意見・ご感想」など自由な意見を書き込む枠が該当します。
(1)のような設問については「その回答がどれだけ選択されたか」というものを知るには
紙のアンケートであればデータ入力し回答数をカウントすれば知る事ができます。
【例】回答者が100名の場合で回答者が選択した数がそれぞれ以下の場合
1:35人(35%)
2:20人(20%)
3:10人(10%)
4:30人(30%)
5: 5人( 5%)
上記のように、(1)の選択式設問は回答数を集計し、
そのデータから視覚的に見やすくなるグラフにする事ができる一方で
(2)の自由記述設問については自由なコメントが記入されている為、
「この回答が何%あった」というのは文字をデータ化しただけでは把握することができません。
しかし、自由記述設問にはアンケート設計者が気づかなかった
『記載者の本当の声』や『より詳細な意見』が含まれている可能性があります。
1つ1つ読み込めば回答者の自由な記述から多様な内容を得ることが出来ますが、
紙媒体から単に文字をデータ化しただけでは見づらい場合があり、
せっかくのご意見が見逃されてしまう可能性があります。
そこでシ・ブリュでは自由記述設問ごとのリストを作成する「自由記述(FA)リスト化」
その自由記述にはどういった内容が含まれているのかを読み解き、カテゴリごとに分類する「自由記述(FA)コーディング」を提案致します。
<自由記述(FA)リスト化とは>
自由記述(FA)を設問ごとに一覧表の形でリスト化するもっともシンプルな形です。
「自由記述の分類までは必要がないけれど、報告書に実際の自由記述の内容を添付したい」
というような方にはオススメの作業です。
例えば、自由記述設問をExcel等にデータ入力しただけでは
数値回答の設問と一緒自由記述設問がアンケート内に多ければ多い程、埋もれて見にくくなってしまうと同時に、
そのまま入力データを印刷するだけでは、自由記述に答えていない回答者のデータ行(空白行)も混在し、見にくくなってしまいます。
↑アンケート帳票ごとに1行ずつ数値と自由記述をデータ入力して表にした場合、
自由記述に回答がなかったデータは記載の無い列(空白行)ができてしまいますし、
どんな人が回答したか分からないコメントが羅列されている状態です。
こういった見にくい表を以下のように作成する事が可能です。
このような表を自由記述設問の数だけ作成する事が可能ですし、
年代や性別としている欄は他のご指定の項目に変更する事も可能です。
FAリスト化作業のメリットとデメリット
(1)一覧になっていて入力データのままより読みやすい
→データ入力しただけのものだと、他の項目との間にあって自由記述欄が見にくく、
また回答されていないものは空白となりますが、空白をカットし、
年代なども付与する事でどのような階層の人の意見かを分かりやすく知る事ができます。
また、アンケートのレポートを作成するといった場合に、
実際の回答内容を添えておくと情報量が増え、充実したものとなります。
(2)全ての自由記述に目が通す事ができるので少数意見を拾える
→アンケートの自由記述にあった回答は全て一覧にまとめられますので、
漏れなく自由記述コメントを確認する事ができます。
(1)何についての意見なのかまとまりがわかりにくい
→自由にご意見ご感想を書いてもらうような設問の場合、
「何について書かれているか」という事が分かりにくい傾向にあります。
(2)どういう意見が多いのか、一目でわかりにくい
→回答された自由記述をそのまま羅列しているだけの為、
ここでの意見にどういったものが多いのかの分布などが分かりくい状態です。
(3)回答者数によっては膨大な量の記述が表になってしまう
→何千、何万というアンケートを採った場合、コメントに記載されている方も多くなり、
全てをまとめて一覧表にしてしまうと、膨大な量となってしまい、
見やすさを実感できないというデメリットもあります。
自由記述を年代や性別などでまとめ一覧表を作成するだけでも見やすくはなっていますが、
この状態ですと「どういった意見が多かったか」という内訳を知る事はできません。
更に内容を分析する方法として自由記述(FA)コーディングをオススメいたします。
<自由記述(FA)コーディングとは>
自由記述の内容に応じて分類し、各分類が何%ずつあるかなどを分析する作業です。
FAコーディングの代表的なものとして「テキストマイニング」と呼ばれる手法が挙げられます。
テキストマイニングは機械的にそのコメントの中に多く出てくるワードをピックアップしてくる方法となる為、
「このワードが良く出てきている」というところまでは分かっても、
例えば肯定的なのか否定的なのか、どういう内容でそのワードが出てきているかなどが分かりにくい面があります。
本当にその回答者の意見を掘り下げて内容を理解する為には、そのコメント内容を実際に読み
「記載者が本当に書きたかった内容は何か」を意識してアフターコーディングを行う必要があり、
シ・ブリュでは日本人スタッフが自由記述を読み込んで内容に応じて分類する事により、
微妙なニュアンスの違いや単純な用語の洗い出しだけでは見えにくい部分も分析する事が可能です。
具体的な流れを見ていきましょう。
まず、FAをデータ化し、上記のFAリスト化したものが以下です。
このままだとどのような意見が多いかが分からない為、まず、自由記述の分類表を作成します。
もっともシンプルなパターンだと、まずは分類1段階目に「評価」、分類2段階目に「内容」とするものがあります。
(まず、コメントの内容というより「良いのか」「悪いのか」などを見たいというお客様が多い為、
下記の順番で分類を設定していますが、逆にすることも可能です)
例えば「冷房がきいてなくて、暑かった」というコメントの場合、
分類1は3、分類2は2となり、コメント内容を数値に置き換えることができました。
このように全てのコメントの内容を読み込み数値に置き換えると、
選択式設問と同様にデータ集計し見やすいグラフにする事が可能となります。
まずは表にしたものが以下です。
上記の例は300枚のアンケートに全て自由記述があった場合で、自由記述記載データ数そのものは300となりますが、
1枚の自由記述コメントの中に、2つ以上意味があれば、
その分だけ自由記述は分類されますので、意味として分けられた総数が465となります。
このように、選択設問では1つの意思しか回答できないものでも、
自由な記述の場合、複数の意味が書かれている場合は、
その文章ごとにそれぞれ意味分け分類する事で、多くの意見をしっかり拾いきることができます。
それぞれ、「良い」「悪い」「要望」と3つに分けた場合の割合を測定するだけでなく、
さらに良いの中で「会場」「空調・設備」「イベント内容」「その他」の4つに分け、
その中での割合も知る事ができました。
このような表をもとに下記のグラフを作成する事も可能です。
アンケート結果を報告書にまとめる際は、視覚的に判断しやすいグラフや画像を用意する事で
見た目のインパクトが大きくなるだけでなく、読み手に伝える情報量も多くなるので、
資料の内容を充実させる事においては非常に重要なものとなります。
シ・ブリュではアンケートの自由記述に対して、どこまで掘り下げるべきかのご提案や、
お客様がこれまで実施された資料を元にしてより分かりやすいコメントの分析など、
多様な作業を承る事ができますので、ご要望をご遠慮なくお聞かせ下さい。
更に詳しい内容をご確認になりたい方は
自由記述分析(アフターコーティング)
のページもご覧下さいませ。